会社のお金だけは取ってはいけない。

先週、会社の現金がサーヴァント(お掃除とか、お買い物とかしてくれるスタッフ)に取られた事件が発生した。もちろん、インドではよくある風景だし、よく聞く話ではある。被害額は20,000Rs。僕らからしたら一回の飯で10,000Rsを使うこともあるが、彼らにとっては10,000Rsは月給になる。会社にとっては小さな金額だが彼らにとっては大きな金額。

さて、驚きを隠せないのがこのサーヴァントは4年も一緒に働いているのだ。十分すぎるほどの信頼関係は構築されている。10,000Rsを渡してお使いにいかせたり、事務所の鍵も保有しているし、スタッフ旅行や飲み会にも參加する。仕事は役割だと考えているので、誰も下に見たりなどはしていない。家族が病気のときは休ませたり、一年に一度は長期休暇を取得し、ホームタウンのコルカタに帰ったりもする。彼の家賃3000Rsのコロニーに遊びに行ったりもした。

MISAOの卒業生ならわかるだろうが、スタッフも生徒も誰もが彼を愛し、また彼も僕らのことが好きだった。不思議だ。給料も基本的に上がっていくであろうし、うちの職場にいる限り正直多少さぼっていても何も言われない。実働は一日3-4時間程度だろう。それでも犯行に及んでしまった。防犯カメラにばっちり映っていたんだ。

MISAOは僕が来る前のマネージャーが赤字にも関わらず売上金を横領していた過去がある。その方は追放したが、やはり会社のお金は個人のお金と違い特殊なのではないかと思っている。個人のお金は好きに使えばいい。しかし、会社のお金は利益を上げるか、顧客満足度を上げる以外で使ってはいけないのである。

この夏は業績も過去最高、従業員も3名増え、新規事業も調子が良い。
でも大切な人を失ってしまった。僕らは家族みたいなものだ。毎日いっしょに過ごしていた。

インドは都市部と地方で100年の差がある。
インドは富裕層と貧困層で100年の差がある。

彼を本当の意味で豊かにすることは”お金”以外でできないのかもしれない。